条件入力
パラメータ(係数・諸元の校正)※すべて編集可
判定結果
一日の行程
行程判定
C510 — Cessna Citation Mustang(JA123F / JA303G)
このモデルの原型。以降の CJ4・G550 は同じ式で係数だけ差し替えている。唯一、社内 Journey Log という正データと突き合わせられた型式で、FR24(ADS-B)の実績と社内のFLT Timeが平均1.8分で一致することを確認できている。
ETE モデルの導出
| 母集団 | JA123F / JA303G の実績 510便(訓練・点検・同一空港を除外) |
|---|---|
| 精度 | MAE 約 7.6分 |
| 比較した案 | 距離に定数を足す形/定数倍する形/線形/空港別補正/提案ルール を比較し、Model F(東西成分×季節係数)を採用 |
| 固定分 | 20分(羽田・成田が絡むと30分)。この値が現在全型式で共用されている |
| 正データ突合 | 社内 Journey Log の FLT Time と FR24 実績が平均 1.8分 一致 |
壁打ち資料
スクリプトは mcj-schedule/tools/flight-time-analysis/。資料の原本は mcj-schedule/docs/ で、ここのリンクは配信用コピー。
燃料の扱い
性能表からの表引きは持たず、単一燃費 × 空中ETE でトリップ燃料を出す(F_D = Ḟ_Cruise × ETE)。値の出所は運用規程。距離連動ブロック燃料モデルは CJ4 のみ実装されている。
C25C — Cessna Citation CJ4(JA77KC)
ETEは FR24、燃料はメーカー性能表、という2トラックで較正した最初の型式。この型式だけ 距離連動ブロック燃料モデルを実装しており、下の3表をエンジンが実際に引いている。
ETE 較正
| 母集団 | 日本のC25C 5機(JA77KC / JA11AY / JA01BJ / JA01KJ / JA01RC)・過去1年 583便。JCAB飛行検査機5機は運航パターンが特殊なため除外 |
|---|---|
| 有効レグ | 333便(同一空港・極端に短い便・ICAO欠落を除外)/ MAE 6.34分 |
| cruise_kmh | 仮値 835 → 実測 729。835のままだと MAE 9.38 に悪化する |
| 季節α | 冬 −1.64 / 春 −1.30 / 夏 −0.19 / 秋 −0.73。季節のパターンがC510と相似で、手法の裏付けになった |
燃料の一次資料
| 使えた | 525C_CPP_EntireManual.pdf(CITATION CJ4 PERFORMANCE MANUAL 525CPP-03・84頁)。CLIMB / CRUISE / DESCENT / HOLDING / DRIFTDOWN が揃う |
|---|---|
| 使えなかった | 525C飛行規程.pdf(認証AFM・582MB)は第4章=認証性能のみ(離陸距離・上昇勾配・着陸距離)で、巡航燃費や燃料計画表が無い |
| Ḟ_Hold | 910 lb/h は CPP HOLDING表の 14,000lb / 1,500ft と完全一致=運航規程の待機条件そのものの値 |
距離連動ブロック燃料モデル
巡航FLの割当式は乗員ヒアリングによる(既存のETEを流用でき、高度入力が要らない)。場周分の単価は安全側に倒して巡航FFを使っている(低高度の待機燃費を使う案との差は中距離で177lb)。
エンジンが引いている性能表(CPP 525CPP-03 より抽出)
以下は flight-calc.js に埋め込まれている実データそのもの。ここに出ている値がそのまま計算に使われる。
壁打ち資料
資料の原本は mcj-schedule/docs/ で、ここのリンクは配信用コピー。
未較正のまま残っているもの
burn_alt_lbph(1,800)と alt_kmh(370)は仮値のまま。運航規程の Alternate Fuel は進入復行込みの定義で、現行式が持つ約300lbの保守分がそれをカバーするという判断で据置いている。
G550 — Gulfstream G550(N679MS)
自社の事業機ではないため社内 Journey Log に相当する正データが無い型式。ETEはFR24単独、燃料はAOMの性能表から取っている。
なお TYPE_ORDER に入れていないので、N679MS は「事業機外」の扱い(オーナーFLTの社内登録のみ)のまま。
ETE 較正
| 収集 | FR24 aircraft=GLF5 & routes=JP-JP(国内完結レグ)で過去2年。3年遡ろうとしたがサブスクの提供範囲が直近2年までで弾かれた |
|---|---|
| 母集団 | 全666件 → 有効 254便(発着ICAO/時刻欠落233・同一空港173・座標なし6 を除外)→ ロバスト刈込 204便/MAE 5.35分 |
| JA502A の扱い | 有効254便のうち158便が海保機JA502A。残差±15分以内が73%で、哨戒便(例: RJTT→RJSN 274kmを299分)は刈り込みが自動で落とす。除外しても cruise_kmh は901で一致し、含めた方が季節αのサンプルが約3倍になるため母集団に含めた |
| G-Vとの混在 | ICAO型式コード GLF5 は G550 と G-V を区別しない。分母確保を優先して混ぜている |
| 裏付け | AOMの巡航表は FL370〜510 で KTAS 一律 487.5kt = 902.8 km/h。FR24実測から回帰した cruise_kmh = 901 と0.2%で一致した。時間モデルと燃料表が同じ巡航レジーム(M0.85)に乗っている |
燃料の一次資料
| 本命 | G550 Operating Manual.pdf(AOM Rev46・1,610頁)の CHAPTER 05 – PERFORMANCE。Climb(p1174) / Cruise(p1183) / Descent(p1211) / Holding(p1216) / Alternate(p1160) が揃う=CJ4のCPPと同じ構成 |
|---|---|
| 部分的 | G550 Performance Handbook.pdf(147頁)はAOM第5章の抜粋。巡航・代替は取れるが Holding と en-route Climb/Descent が無い |
| 不適 | G550 Pilot Training W&B, Peformance Charts.pdf(63頁)はFlightSafetyの訓練ラボ用ハンドアウト。全頁がチャート画像でテキスト層は定型注意書きのみ |
| 数値化できない | Flight Planning Charts はノモグラフ(距離+風→時間→トリップ燃料を作図で読む形式)。Holding表はベクター描画でテキスト層に無く、画像化して読み取りAOM本文の計算例と突き合わせて検証した |
壁打ち資料
散布図・残差分布・季節αの誤差棒・燃費曲線などのグラフはこの資料に入っている。
この型式の弱点
| BOW | 48,300lb は AOMの型式一般値で、N679MS実機の計量記録ではない。搭載可能ペイロードと燃料に直結するので、実機のW&B記録が入手でき次第の置換が前提 |
|---|---|
| Ḟ_Hold | 2,089 lb/h は内挿値。運航規程の待機条件は1,500ft・30分だが表に1,500ftの行が無い。CJ4はCPPの表が規程の値と完全一致していたので、根拠の性質が違う |
| ブロック燃料 | 距離連動モデルは未実装で、単一燃費×ETE で計算している。AOM第5章にen-routeのClimb/Descent表があるのでCJ4と同じ積算モデルは組める |
| 夏のα | +0.80 と正(東向きが遅い)。C510(+0.05)・CJ4(−0.19)と符号が逆。FL430〜450の夏季上層東風なら説明はつくが未検証 |
| 春のサンプル | 刈り込み後 n=28 と薄い(他季は49〜76)。収集期間が2年で頭打ちのため増やせない |
この計算の考え方
この画面は「ある区間を、その機材で、そのペイロードで直行できるか」を大圏距離ベースで概算する。判定は 飛行時間(ETE) → 燃料収支(F_Extra) → 滑走路長 の3段で、どれか一つでも欠けると結論が変わる。
計算の実体は共通コア flight-calc.js にあり、この画面・機体配置エンジン・代理店ポータルの見積が同じ関数を呼んでいる。ここで確かめた挙動はそのまま本番の見積に出る。
① 飛行時間 ETE
| v_Cruise | 実効速度であって真対気速度ではない。「固定分を差し引いた残り」を距離で割った値なので、固定分と組で効く。片方だけ差し替えると壊れる |
|---|---|
| 固定分 | 離陸上昇・降下進入・場周などの距離に比例しない分。20分(羽田・成田が絡むと30分) |
| α(風補正) | 東西成分100kmあたりの補正分。負=東向きが速い(偏西風の追い風)。往復で符号が変わるので上りと下りで所要が違う |
| 東西成分 | (到着lon − 出発lon) × cos(平均緯度) × 6371。東向きが正 |
| block | ETE + 空港別 taxi(out/in)。時刻表示に使う。テクラン判定に使うのは taxi を含まない ETE の方 |
このモデルは C510(JA123F/JA303G) の実績510便から選ばれた「Model F」。距離に定数を足す形・定数倍する形・空港別補正など複数案を比較して、これが最も当てはまった。以後 CJ4・G550 も同じ式で係数だけ較正している。
② 燃料収支 F_Extra
| F_D | トリップ燃料。既定は 巡航燃費 × 空中ETE。CJ4(C25C)だけ距離連動ブロック燃料(性能表のclimb/cruise/descentを積算)に置き換えている |
|---|---|
| F_Cont | Contingency。max( F_D × 5% , 待機燃費 × 5分 ) |
| F_ALT | 代替空港までの燃料。代替は到着地の最寄りで、給油可・滑走路長を満たす空港を自動選定 |
| F_Hold | 待機。運航規程どおり 1,500ft・30分 |
| F_Taxi | タキシー。計画離陸重量には算入しない(運航規程 2-10)。機番ごとの値を master から取る |
F_Extra が閾値以上なら直行OK、下回るとテクラン(途中給油)を探索する。閾値は型式別で、テクラン経路は各区間が ex_tech を満たすものだけ採用する。
③ 滑走路長
発着空港の rwy_max_m が型式の min_rwy_m 未満なら運航不可。代替空港の選定にも同じゲートがかかる。長さ不明(null)の空港は許容している。
値はどこから来るか
諸元はこの画面に埋め込まれているのではなく、mcj-master の2テーブルから読んでいる(取得に失敗したときだけ内蔵の既定値にフォールバックする)。値を直せば再デプロイ不要でそのまま反映される。
| テーブル | 列 | 効くところ |
|---|---|---|
aircraft_types型式ごと | cruise_kmh | ETE の巡航速度(実効値) |
burn_cruise_lbph | F_D(距離連動モデルを持つ型式では未使用) | |
burn_alt_lbph / alt_kmh | F_ALT | |
burn_hold_lbph | F_Hold と F_Cont の下限 | |
max_fuel_lb / seats | F_TOT の上限 / 定員 | |
ex_ok_lb / ex_may_lb / ex_tech_lb / min_rwy_m | 判定閾値と滑走路ゲート | |
aircraft機番ごと | max_takeoff_weight / bow | W_MTO / W_OE。BOW未設定なら BEW+運航装備で代替 |
default_taxi_fuel | F_Taxi |
季節α と 固定分(20分/首都圏30分)は master ではなく flight-calc.js 側にある。α は ALPHA_BY_TYPE で型式別、固定分は現状すべての型式で共通。
型式ごとの実測値と、その出所
| 型式 | v_Cruise | Ḟ_Cruise | Ḟ_Hold | F_max | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|
| C510 Citation Mustang | 629 | 750 | 673 | 2,580 | 実績510便(JA123F/JA303G)+運用規程。MAE 7.6分 |
| C25C Citation CJ4 | 729 | 1,200 | 910 | 5,828 | FR24 日本CJ4 5機・1年583便→333便で較正、MAE 6.34分。燃料は CJ4 Performance Manual (525CPP-03) |
| G550 Gulfstream G550 | 901 | 2,853 | 2,089 | 41,300 | FR24 国内GLF5・2年254便→204便で較正、MAE 5.35分。燃料は G550 Operating Manual (AOM Rev46) 第5章 |
季節α(分 / 東西100km・東向き正)
| 型式 | 冬 | 春 | 夏 | 秋 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| C510(既定) | −2.06 | −1.09 | +0.05 | −1.24 | 未登録型式はこれにフォールバックする |
| C25C | −1.64 | −1.30 | −0.19 | −0.73 | 高速機ゆえ絶対値も小さめ |
| G550 | −1.99 | −0.28 | +0.80 | −0.71 | 夏だけ正=東向きが遅い。他型式と符号が逆 |
αは国内便の実測回帰。台湾・韓国・香港・マリアナは外挿になるので、東西成分の大きい路線ほど確度が落ちる。
新しい機材を追加するとき
やることはデータ較正であってコード改修ではない。cfgFromMaster() が型式パラメータ化されているので、master に値を入れれば下流(この画面・配置エンジン・見積)が自動的に動く。
- 母集団を決める — 同型式の実運航機を集める。運航形態が違う機体(飛行検査機・哨戒機など)は混ぜるか外すかを先に決める。判断材料は残差で、ミッション便は外れ値として明確に分かれる。ロバスト刈り込みで自動的に落ちるなら母集団に入れた方がサンプルが増えて得
- ETEを較正する — Flightradar24 の
flight-summary/lightを14日刻みで収集し、同一空港・極端に短い便・ICAO欠落を除いてから Model F を当てる。得られるのはcruise_kmh・固定分・季節α。FR24は燃料を一切返さない - 燃料を較正する — 別トラックでメーカーの性能資料から取る。認証AFMには巡航燃費が無いことが多く、必要なのは Performance Manual / Operating Manual 系。数値表はテキスト層から座標再構成で抜けるが、ノモグラフ(作図チャート)は数値化できない
- master に投入する —
aircraft_typesに型式行、aircraftに機番ごとの重量。D1は--remote必須、ワーカー再デプロイは不要 - 型式別αを登録する —
flight-calc.jsのALPHA_BY_TYPE。入れ忘れるとC510の値が黙って使われる。companyapps が大元で、sales・reservation にも同じコピーがある - 実経路で確かめる — 部品ではなく
assessItinerary()に通し、代表路線のETE・燃料・判定を見る。他型式が変化していないこと(非回帰)も同時に確認する
事業機として登録しない機体(オーナー機など)は、諸元を入れても charter-new.html の TYPE_ORDER に足さなければ「事業機外」の扱いのままで、代理店導線や空き判定には出ない。
既知の限界
| 固定分は型式共通 | 20分/首都圏30分は C510 実測のまま全型式で共用。CJ4実測は18.8分、G550実測は22.5+首都圏5.1分で、いずれも現行値の方が保守側(長め)に出る |
|---|---|
| 大圏直線距離 | 航空路(airway)を考慮しない。実経路はこれより長い |
| 海外のα | 国内回帰の外挿。東西成分が大きい路線ほど確度が落ちる |
| 代替の短距離側 | 性能表の代替表は100nm以上しか無い。それより近い代替は直線外挿になり、上昇分を過小評価しがち |
| C25C の代替値 | burn_alt_lbph と alt_kmh は仮値のまま。現行式が持つ保守分でカバーする判断で据置 |
| 正データとの突合 | 自社機以外は社内 Journey Log に相当する正が無く、ADS-B単独の値になる(C510では平均1.8分一致を確認できた) |