C510 大圏距離 → 実運航時間 当てはめ分析

JA303G / JA123F の社内Journey Log(訓練・点検・地上滑走・同一空港を除外)を正データに、大圏直行時間と実飛行時間の関係を定量化。運航計画での飛行時間見積りに使える変換式を提案する。

有効移動レグ 510便 巡航 630km/h で大圏直行時間を算出 実時間 = FLT Time(離陸→着陸) FR24突合: FLT時間差 平均1.8分で一致 ▶ ETE計算ツールを開く

全体像

超過分(実 − 直行)は上昇・降下・出発進入方式(SID/STAR)・ベクタリング・風の合算。距離に強く比例せず、ほぼ一定の「固定オーバーヘッド」として効くのが今回の最重要点。

羽田・成田 方向別の実情

区分便数平均距離直行(分)実(分)超過(分)実/直行

散布図:直行時間 vs 実時間

点が右肩上がりの一本の帯に乗り、原点ではなく縦軸の +20分前後から立ち上がるのが見える=短距離でも最低限の固定時間がかかる。緑の「定数倍」線は短距離で点群の下(過小)、長距離で上(過大)に外れる。

当てはめモデルの比較

モデルMAE(分)RMSE(分)

MAE=平均絶対誤差(小さいほど良い)。定数倍が最も誤差大。加算と線形はほぼ同等、空港方向補正を足すと最良。

① +定数(例:+25分)

実用◎・簡単

固定オーバーヘッドの実態に最も近い発想。電卓で即計算でき、誤差も小さい。短距離〜長距離まで素直。まず採用するならこれ。

② ×定数(例:×1.54)

非推奨

誤差が最大。固定の上昇降下時間を距離に比例させてしまうため、短距離を過小・長距離を過大に見積もる。計画用には向かない。

③ 空港ごとに補正

最良・首都圏に効く

線形に「羽田発着 +7〜8分/成田発着 +6〜10分」を加える。首都圏ターミナルの混雑を反映でき最も正確。運用が許すなら推奨。

④ 提案ルール(+20 / 首都圏+30)

実務の本命

「直行+20分、羽田・成田の発着だけ+30分」。暗算できる簡単さで精度は最良モデルとほぼ同等。覚えやすく現場運用に最適。

運航計画への当てはめ:推奨

本命:提案ルール(暗算でき精度も最良級)
手軽さ優先(一律 +定数)
バランス(推奨の標準式)
最精度(首都圏発着を区別)

いずれも残差は約±8〜10分(風・当日のATC・滑走路運用による不可避のばらつき)。計画は「直行+固定分」を基本に、首都圏発着便だけ数分上積みするのが、単純さと精度のバランスで最適。

季節性と風(偏西風)の影響

実飛行時間から推定した巡航GS(固定オーバーヘッド20分を差し引き、大圏200km以上の便のみ)。パイロットの高度最適化を含んだ「実現値」。方位は出発→到着の経度変化で東向き/西向きに分類。

季節東向き 巡航GS西向き 巡航GS東西差

実測残差(提案ルール+20/+30 に対する・Model Fの根拠)

季節東向き西向き南北寄り

プラス=モデルより延びる(向かい風)/ マイナス=短縮(追い風)。冬は東向き短縮・西向き延伸が顕著、夏はほぼゼロ

前提・注意